メッキ(鍍金)とは



 メッキは、金属製品の表面処理方法のひとつとして開発されました。
銅を水銀で擦り銀に似せたところから滅金(メッキン)といわれたのが語源といわれます。
メッキは金属の表面に目的に応じて他の金属を被覆し、地金属を腐食から守ると同時に装飾し商品の価値を高めたり、 光沢を与えることにより摩擦などの抵抗から地金属を守ります。

メッキにより次のような状態になるのが望ましい。

  • メッキ金属が地金属によく密着して、硬さがと粘りがある。
  • メッキ金属と地金属の間にガスの吸蔵(ガスが潜り込むこと)や、不純物がない。

メッキは2種類以上の金属の接触であるため、各金属の性質の他に、両方の金属から生まれる性質を考えて行われます。

アクセサリーの場合は電気メッキが中心です。

注意!
K18GP とは、18金(K18G)メッキ(Plated)の事です。

鍍金の工程

  1. 地金属(メッキしたい製品)
     ↓
    (脱脂、酸洗い、水洗)
     ↓
  2. 研磨(バレル、バフ)
     ↓
    (水洗)
     ↓
  3. 溶剤脱脂(表面の清浄)
     ↓
    (水洗)
     ↓
  4. 酸処理(表面の洗浄、さびとり)
     ↓
    (水洗、中和、水洗、乾燥)
     ↓
  5. 銅メッキ(防食用、金属荒面止メッキ)
     ↓
    (水洗)
     ↓
  6. ニッケルメッキ(光沢、下地硬質化)
     ↓
    (水洗)
     ↓
  7. 貴金属メッキ(仕上げメッキ)


電気メッキとは
電気のエネルギーによって溶液が分解される化学反応を電気分解といい、この反応を応用したもの。
電気メッキの仕組み1-1
電気メッキの仕組み1-2
電気メッキの仕組み2-1
電気メッキの仕組み2-2
1.
 金属を水溶液化し(電解質溶液)、メッキしたい地金属(製品)を陰極とし、メッキ用金属を陽極として双方に電極を接続します。
2.
 直流電流を流すと陽イオンは陰極に引かれ、陰イオンは陽極に引かれ、メッキ液中の金属陽イオンは陰極につり下げた地金属(製品)の上に放電され地金属にメッキされます。


電気メッキの種類

防食メッキ
  • 亜鉛メッキ
  • カドミュームメッキ
  • 錫メッキ
  • 鉛メッキ
硬質クロムメッキ
  • 装飾クロムメッキ
  • 硬質クロムメッキ
  • 銅メッキ
  • ニッケルメッキ
  • 貴金属メッキ(金、プラチナ、銀、パラジューム、ロジウム)
  • 錫合金メッキ(ガンメタメッキ)
  • 合金メッキ


メッキの歴史と技術の進歩

 メッキの歴史は古く、古代エジプトの女王のネックレス等に金メッキがされていたという記録もあります。
日本のメッキの歴史は奈良に都を移した710年頃、仏像に金メッキが施されたのが始まりで、 794年奈良の大仏に金メッキを施されました。 この頃のメッキは今日の電気メッキとは異なり、金を水銀で溶かし、仏像に塗布し炭火であぶり、 水銀を蒸発させ、金を残す方法です。今日でもわずかに変色しているものの、ほとんど完全な形で残っているそうです。

 日本に電気メッキの技術が導入されてから、120年余になります。
今日のように直流電流を用いてニッケルメッキが行われ、工業用として用いられるようになって100年近くになります。
メッキの発展はめざましく、技術の向上、設備の改善、工程管理、品質管理などによって防食、 外観の良いメッキが得られ金属性品の価値を高めています。

この直接の原因は銅、ニッケル、クロム、亜鉛、カドミュームなどの光沢メッキの普及にあります。
光沢メッキは工程の簡素化、作業の能率化、自動、半自動化による生産性の拡大、製品の均一化に役立っています。



金属のイオン化傾向

 金属が酸やアルカリと反応し、溶解して溶液となった時、それらはほとんどプラスまたはマイナスの電気を帯びた原子、 すなわちイオンとなります。したがって酸やアルカリに侵される程度によって、その金属がイオンになりやすいか どうかを判別することができます。 一般的にはイオン化傾向の大きい金属ほど酸化されやすく化学的に活性です。 この、イオン置換の性質を利用した金属表面処理法に化学メッキがあります。

メッキの種類

  • 電気メッキ 電気エネルギーを利用して地金属に他の金属の皮膜をつくる。

  • 化学メッキ(無電解メッキ) 化学変化を利用して地金属に他の金属の皮膜をつくる。

  • 蒸着メッキ 地金属に他の金属の蒸気を吹き付けて皮膜をつくる。

  • 溶融メッキ 地金属を溶融金属中に浸して金属の皮膜をつくる。

  • 拡散浸透メッキ 地金属に他の金属を浸透させて合金の皮膜をつくる。

  • 金属溶射 地金属に他の溶融金属の粉霧を吹き付けて皮膜をつくる。

  • 陰性スパッタリング 放電によって金属皮膜をつくる。

  • (その他着色、塗装等)




化学メッキ(無電解メッキ)

化学メッキとは電気エネルギーを用いないで金属水溶液中の金属イオンを置換反応、あるいは酸化還元反応により、 他の下地表面にメッキをする方法です。
還元法は形にかかわらず、ピンホール(小さい穴)もなく均一なメッキができる。 又金属ではなく、不導体、粉末治金による製品にもメッキができます。(この際利用されるのは合金です。) 化学メッキでは、合成樹脂、陶器、ガラス、ホウロウ、木材、ゴムなどの非金属物質表面にもメッキすることができる。 アクセサリーでこの方法が最も多く利用されているのが、合成樹脂(主にABS樹脂)の上に、無電解銅やニッケルメッキをする方法です。なお、この後は通常の貴金属電気メッキをして、製品化します。 化学メッキの代表的なものは、ニッケルメッキと銅メッキです。

銅メッキ

変色しやすいので、一般には銅メッキの上にニッケルメッキ、さらにその上にクロムメッキなどをして 貴金属メッキの下地メッキとして用いられます。
主に金属表面の凹凸部分を埋めるため(生地表面の電解性をよくする)と、光沢を出すために用いられます。
特に錫、鉛等を用いたキャスト製品に多く用いられ、また、電気の通る樹脂(ABS樹脂)の下地メッキとしても利用されています。 その他、古代色メッキを表現する方法として、銅メッキの上に変色防止用の透明塗装皮膜を施して 銅色の表面処理としてのメッキに用いられる場合もあります。 (硫化カリウム等の薬品溶液で処理すると、硫化銅の皮膜ができ、黒渇色になります。 これを軽く研磨すると表面の凹凸で銅メッキの赤渇色と硫化銅の黒渇色のコントラストになり、古代色になります。

ニッケルメッキ

主に光沢効果と、メッキ面を硬くする役割として銅メッキの上に、貴金属メッキの下地メッキとして用いられます。
厚さは、アクセサリーの場合3から20ミクロン前後になります。 表面処理として用いられることもありますが、アレルギー皮膚炎の要因になることが問題とされています。
ニッケル抜きの貴金属も用いられているが、光沢が少なく、表面が柔らかくなり傷つきやすいという欠点がでてきます。
黒ニッケルメッキ

ニッケルと亜鉛、硫黄の合金メッキ。 下地のメッキの種類により、色調を変えることができます。


貴金属メッキ(装飾メッキ)

アクセサリーのほとんどのものは貴金属メッキが用いられます。
アクセサリーに装飾と光沢をあたえ、商品としての価値を高めるための表面処理です。
貴金属メッキの種類としては、金、銀、プラチナ、パラジュウム、ロジウム等があります。


金メッキ

 金は耐食性からいっても非常に強く、長年空気中や、土中に放置されても、その黄金色を失うことはありません。
金や合金メッキは従来、極めて薄い色付け程度に使用されてきたが、近年は「耐食性」に富むことから 工業用等として普及してきました。更に「硬さ」「耐久性」等の追求から、いろいろな合金メッキや下地メッキとの 組み合わせが研究されています。
金メッキ浴としては、金がシアン(青酸)と容易に化合する性質を利用してシアン化合物が用いられていましたが、 環境汚染の問題から好ましくないとされ、無シアン、無公害浴の開発が望まれ、亜硫酸金、各種金化合物が開発、 改良されています。

 金メッキは、金と他の素材の合金メッキをすることによって、メッキの色を変えられます。

  • グリーンゴールド(金、銀の合金メッキ)
  • ピンクゴールド(金、銅の合金メッキ)
  • ローズゴールド(金、銅、ニッケルの合金メッキ)
  • ハミルトンゴールド(金、銀、銅、ニッケルの合金メッキ)
  • ホワイトゴールド(金、ニッケルの合金メッキ)
合金元素と色調の関係

合金元素色調
カドミュームグリーン
コバルトイエロー
明るいピンクから赤
イリジウム淡いイエロー
ニッケル淡いイエローから白
パラジウム淡いイエローから灰白色
グリーンから白
亜鉛グリーン



 金の含有量は「カラット」で表現されますが、24金が純金でカラットの数値が低くなるに従って金の含有量が少なくなります。

24金(100%) , 22金(91.6%) , 18金(75%) , 14金(58.5%) , 10金(41.7%)


金メッキで硬くしたい場合は、18金ぐらいにし、残りの25%を他の素材(ニッケルや銅など)をいれた合金としてメッキをします。

金メッキの厚みはメッキ浴の濃度や浸す時間で調整されます。


薄いメッキはフラッシュメッキと呼ばれ、色仕上げを目的とし、厚さは0.1ミクロン以下の厚みのもの。

厚いメッキはミクロンメッキと呼ばれ、厚さがミクロン厚として計れるもの(1ミクロンは1/1000o)

この場合、光沢を出すための下地メッキは光沢ニッケルメッキが施されます。


金の厚み大切に使用した
場合
過酷な使用の
場合
0.1以下3ヶ月〜1年位1週間〜2ヶ月位
0.2〜11年〜3年位20日〜6ヶ月位
1〜33年〜5年位1ヶ月〜1年位
(単位はミクロン)

銀メッキ

 銀は硫化に対して弱く、空気中に含まれる各種ガスのため、表面が変色してきます。(空気酸化、腐食)
銀メッキにも、銀の特性は同じであるため空気酸化は避けられません。そのため酸化防止の方法がいろいろと 研究されていますが、絶対的に信頼のおける方法はないといわれています。
これまでは、保護メッキとして銀メッキの上に薄いロジウムメッキがされる方法がありましたが、 あくまでロジウムメッキとみなされます。
合金メッキにするのもひとつの方法ですが、銀と同等の色調と性質を持たせるには非常に困難です。

銀メッキはシアン化物のメッキ浴が中心です。
銀メッキでは銀の濃度が大きくなれば、浴の電気伝導度は良くなりますが均一電着性は悪くなります。

銀メッキには

  1. 無光沢銀メッキ(純銀メッキ)
  2. 光沢銀メッキ(光沢剤を入れたメッキ)
  3. 銀合金メッキ
があります。

 無光沢銀メッキは銀独特の柔らかな白色を表現できるが、空気酸化が早く(保護状態が悪いと1週間で変色する) 塗装や変色止め(クロム酸処理)をすることが多いですが、それによって銀の柔らかな色調はかなり損なわれることになります。
 光沢メッキは光沢剤を入れてメッキするものですが、銀の白さはあるものの、銀特有の柔らかな色調は損なわれることになります。


一般的な銀メッキの変色防止法

  • 有機物皮膜による方法
    ラッカー塗料の利用が多く、最近ではビニール及びシリコン樹脂系の塗料も利用されています。 又パラフィンを四塩化炭素に溶解した溶液を塗る方法もあります。
  • 電着塗装
    メッキ浴の中に塗料を溶かし、電気メッキの方法で皮膜をつくる方法。いろいろな色付けも可能。
  • アルカリ性クロム酸塩溶液に浸し保護皮膜を作る方法。
    最近最も多く利用されています。



パラジウムメッキ

パラジウムは硝酸に侵されるなど安定性はやや劣るが、白金属中で最も安価で比重も小さく、 弱腐食性で変色せず、メッキ層も硬いのでロジウムメッキの下地及び銀の仕上げメッキとして、 あるいは単独で工業用メッキとして用いられています。色調が特有の暗色のため、あまり装飾用としては用いられていません。


錫メッキ

錫の歴史は非常に古く、紀元前4000年頃、メソポタミア文明に錫、銅の合金メッキの遺跡が発掘され、 その後エジプトでも支那でも錫のブロンズが発見されています。人類にとって最も馴染み深い金属元素のひとつです。
錫は白色の金属で、表面に安定した薄い酸化膜を形成するため、耐食性も非常に大きく、 空気中の自然酸化にも安定して、光沢を失いません。また食品にも無害で、衛生的です。これらの特性を生かして 食器類のメッキに多く利用されてきました。
錫合金メッキも同様に安価であり光沢があり、メッキの容易さから多く利用されています。

ロジウムメッキ

ロジウムは銀に次いで銀白色を有する貴金属で、王水にも侵されず科学的に極めて安定しています。 硬度、耐食性、耐摩耗性、均一電着性にすぐれ、白い光沢が良いことから装飾用メッキとして多く利用されています。 さらに、白金やホワイトゴールドの傷防止、銀や下地金属の変色防止などにも利用されます。 日本国内では全く産出されず、世界的にも高価なことが問題となっています。


ガンメタメッキ

(錫合金メッキ)
錫主体の合金メッキで、その仕上がりは鉄紺色([Gun Metal Blue]ガン=鉄砲)になることから、ガンメタと呼ばれています。 仕上がりは美しく、色むらもなく、光沢があるため金や銀メッキとの組み合わせメッキとして人気があります。


合金メッキ

メッキは一般的に単一金属を地金属に電着させるが、これは、2種の金属を同時に電着させて、 合金状態のメッキを施す方法です。単一金属のメッキでは得られない利点が多くあり、最近ますます重要になってきています。
合金メッキの粒子は多くは微細で色調や光沢が良く、硬さもあり、合金の組成を変えることによって色調を 変えることが出来るなどの多くの利点があります。
一般的には有色金属メッキとも呼ばれています。


有色金属メッキ

  • 銅、亜鉛合金メッキ
    いわゆる真鍮メッキ。金とよく似た色調を持つため、金の代用メッキとして用いられます。(金の擬似メッキ)
  • 銅、亜鉛、錫合金メッキ
    代用金メッキの代表的なもので、淡い金色から赤みがかった金色までいろいろな色調ができるメッキです。
  • 銅メッキ、ブロンズ
    銅メッキの後に古美、いぶし、古代色などといわれる処理を施したもので軽く研磨することにより、 銅の赤みがかった色調と黒っぽい色調とが年代を感じさせる外観となる。
  • 銅、亜鉛メッキ、ブロンズ
    銅メッキ、ブロンズと同じような感じの色調になる。
  • 銀メッキ、ブロンズ
    銀メッキした後に、銅と同様な処理をすると、銀色と濃淡の黒色が調和した色調となります。



クロムメッキ

クロムメッキは利用面から、2つの性質に分類出来ます。

  • 装飾クロムメッキ
    青白い光沢を持ち、変色もなく、腐食に対して強い抵抗力を持っているため装飾用としてアクセサリーなどに利用されます。
  • 硬質クロムメッキ
    美観と高い光沢を持ち、硬くて耐摩耗性が大きいことから主に工業用メッキとして用いられます。

黒クロムメッキ
代表的な漆黒調のメッキ。耐摩耗性は普通のクロムに及ばないが、耐食性は優れています。


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